はじめに
今回は、以前私が家庭教師をしていた時の事について語っていきます!
千夏ちゃん(出会った当初小4→5)という女の子を担当した時の話です。
私まるはもともとこの界隈に身を置く前から家庭教師というアルバイトが好きで、さまざまなご家庭にお世話になってきました。
その経験はこのブログでもなにかつながることがあるかと思い、今回は記事にさせていただきました。
さて、千夏ちゃんの案件は、凸凹っ子に詳しい共通の知り合いからの紹介でした。
彼女は幼稚園時代にASDの診断が下りつつもその時点では特に困り事はなかったとの事。ただ紹介を受けた時点では通っている小学校には複雑な心境で、いわゆる五月雨登校をしている状態でした。
一方、合気道などさまざまな習い事をしており、頭と体を使うことが彼女にとって面白さである事が伺えました。
WISC-Ⅳの結果は知覚が凸でWMと処理が凹の⬜︎凸凹凹型で、これは後々接していても確かにその通りだなと思わされたものです。
また、中学受験をする予定もあり塾にも通っていました。
単元ごとに成績が全然違うという話も出つつ、私が担当したのは千夏ちゃんがなかなか覚えたがらない漢字を嫌でなくさせる個別指導でした。
お母様曰く、千夏ちゃんは書かなくても頭の中で問題の答えが分かる際、その過程を書くのが面倒がるとのことでした。
難しい事は分かるのに単語の丸暗記や文章の細かいところを見落としがちということも仰っていました。
もっとも、漢字が書けなくても文章は読めますし、今の時代言葉として覚えていればすぐ変換できます。覚える旨みが無いと言われても仕方ないと思います。
また、千夏ちゃんは生来感受性が鋭いとの事で、TVの画面が画像ではなく点で見えていたなど具体的なエピソードも色々あった位でした。
心を開かない人にはとことん開かないとも聞いていたので、顔合わせの際には大丈夫だろうか、と少し不安に思いながら、仲介してくださった方、お母様、千夏ちゃん、私の4人で待ち合わせしたのを覚えています。
幸いにも同じ曲を知っていたり、歴史物が好きだという話が合った事もあり、それまで大人だけで話し合われていた個別指導は千夏ちゃんからも直々に始めてもいいよ、と許可が出ました。笑
指導はじめの頃
実際指導してみると彼女はすぐに千夏はねー、あのね、と家でハマっている事や好きな事、嫌だった事…沢山のことを話してくれるようになりました。
話題は好きな鳥の絵や「千夏◯号」と命名される稼働式(小学生向け雑誌の付録についている乾電池で動くモーターとダンボール等を組み合わせたもの)の作っている物の話など多岐に渡りました。
学校の授業や習い事などを通じて彼女が沢山の事を感じ、その共有先を求めているのがよく伝わりました。
しかし、漢字は最初はやっぱり嫌がっていました。
最初こそ全部ひらがなの手紙を書いてそれを漢字に直すなどといった凝った宿題を出したりしていたものの、後々本人に言わせると「面白かったけどなんか頑張ってるなって思った」とのことでした。笑
ともかく当初は「漢字をやるよ」というと嫌なことやらされる、できていないところをできていないと言われる、と強く思っていたようでした。
私としても、初期のころ心理的なメインとしていたのは、とりあえず強い否定をする人間ではないと認識してもらうことだった記憶です。
慣れてくると・・・
何回か指導していると、やはり色々と見えてくることがあります。
彼女が同じ文字を何回も書くというのが嫌に思う事や、文字を形として認識していること。
漢字を意味合いと絡めて覚える自分とは違うなーと印象深かったです。
また、指導のやり方としても
・こちらがわざと間違えてその箇所を指摘させる
・画数の多い字はパーツごとに分けて覚えてもらう
といったやり方が彼女には比較的合っていると現場で知る事もできました。
読み飛ばした箇所に関しても、同じような単語が続いたからと話してくれたこともありました。
後の方になってくると、漢字も好きとまでは行かずとも面倒だから早く終わらそうというスタンスに変わってきました。
漢字に取り組む事そのものに嫌悪感があった初期と比べると、やれば終わるという認識に変わったというのは、大きな進歩ではないかな、と思います。
また、普段オンラインでやり取りしていた事もあり、直接会って遊びに行った事もありました。
興味を持つ展示とそうでないものがある事、ご飯を沢山食べること、そして疲れやすいこと。
それまでの関わりである程度目星が付いていた事でも、実際指導以外で本人と触れて初めて知ることは沢山ありました。
親御さんについて
また、千夏ちゃん本人と話すのと同じかそれ以上に大事だったのが、お母様とお話しする時間を取れたことでした。これはどのご家庭にも共通しているのですが、結局その子を一番よく知っているのは親御さんです。
親御さんとお話しができると普段の生活っぷりやこれは親譲りだという点、きょうだいについて、何よりご家庭の雰囲気も伝わってきます。
もちろん、お父様に関する話題も会話の中で上がってきます。
千夏ちゃんのお母様はサッパリとしたお人柄で、教材のコピーやお月謝の振り込みが本当にてきぱきとした方。ご本人も早さが取り柄ですと仰っていました。
対して千夏ちゃんはじっくり考えて納得行く結論を出したいという子なので、相対的に急かしてしまう事が多い、とお聞きした事もありました。
このような組み合わせも実際触れてみると「なるほどこういう事か」と肌感で分かるものです。
おわりに
千夏ちゃん編は以上となります。
このブログを読んでくださる方のお子様の中には千夏ちゃんと似たようなところを持つ子も、あるいはまったくそうではない子もいると思いますが、一凸凹っ子にそれなりの期間触れた体験で感じたことが少しでも伝わればよいな、と思いました。
今回もお読みいただきありがとうございました!